偉大なる『Successful Failure(成功した失敗)』―――バンダイ「大人の超合金 アポロ13号&サターンV型ロケット」レビュー!
人はそれを「Successful Failure」と呼んだ―――
大人の知識と審美眼に耐える、科学と歴史のロマン溢れる超ハイクオリティ
完成品シリーズ「大人の超合金」に、宇宙開発史上初となる危機的状況を
見事乗り越えた「アポロ13号&サターンV型ロケット」が登場!
アメリカの宇宙開発絶頂期を象徴するロケット「サターンV型」に、司令船
「オデッセイ」などロケットに搭載された数々のメカニクスを完全再現、歴史的
ドラマを生んだ「破損状態の支援船」まで付属し、絶望的な状況を打破
した「アポロ13号」が辿った軌跡を「大人の超合金」でご紹介致します。
大人の超合金 アポロ13号&サターンV型ロケット
こんにちは!静メカです。
先日おなじみバンダイコレクターズ事業部さんに
(・3・)<すごいもん撮影させてあげるから来なよー(意訳)
とお呼ばれしたので、いそいそとバンダイ本社へと向かってみたら
そこに待っていたのは……
「大人の超合金 アポロ13号&サターンV型ロケット」!
あみあみの撮影ブースには収まらない超ボリューム&超ハイクオリティの
こちらの商品の、できたてホヤホヤ製品サンプルを撮影させて頂きました!
まず箱の時点で溢れだす高級感。持ち運びに便利な取っ手付きです。
フルカラー印刷のカバーを外すと、黒地に銀で箔押された「サターンV」と
「アポロ13号」のシルエットが現れます。
それでは「地上に近い順=ミッション内で活躍する順」に各パーツをご紹介!
「S-II After Inter Stage」「S-IC(第一段ロケット)」「F1エンジン」の
部分はそれぞれ3つに分割可能、「S-IC」は2000トンもの燃料を積み込むため
全パーツの中でも最も大きい、かつ重量のあるパーツになります。
発進Gから3000トン近い重量の機体を支え、機体を地上から大気圏外へと推進
させる5基の「F1エンジン」!打ち上げ時に一番注目される箇所ですね。
スペースシャトルといえばこのイメージ!という要素が集約された箇所で、この
商品でも「パーツの密度感」と「ダイナミックさ」が楽しめるポイントです。
続いて機体中央部の「S-II(第ニ段ロケット)」「J2エンジン」!
「S-IC」の切り離し後の6分間で、機体を高度184km(軌道上)まで推進させます。
この状態は、もう地上から肉眼では見えない段階ですがミッションの「キモ」
とも言える工程です。
5基搭載の「J2エンジン」は「J1エンジン」より小型ですが、作り込みの細かさは
全く損なわれることなく(むしろ塗り分けはこちらの方が多い)再現されています。
中央の1基は固定、他の4基は方向を変えてロケットの姿勢制御を行います。
先端部の「LES&BPC(打ち上げ脱出システム)」「SM(支援船)」
「S-IVB(第三段ロケット)」!
この内部に「CM(司令船)」と「LM(月着陸船)」が内蔵され、後に歴史的な
展開を生み出す「SM(支援船)」が搭載されているなど、最も繊細ながら最も
ドラマティックな部位となっています。
1機搭載されている「J2エンジン」は、「S-II(第ニ段ロケット)」のものとの
基部配線の違いも完全再現、同じJ2ロケットでも大気圏内と宇宙空間とで
大きく運用の仕方が違うのが解ります。
こちらが全パーツ一覧。横に倒し、各パーツを分割した状態で飾れる3種の
台座も付属!組み立て時に格納される各部エンジンやタンクも眺められます。
また説明書に加え、アポロ13号の軌跡をまとめた小冊子も付属します。
そしてこちらが全パーツを組立てた状態!
このボリューム!そして上記で説明した、実物を限りなく再現した緻密な造形!
これが「大人の超合金」の本気だ!
机の上に置いた状態で、同行のあみあみスタッフ(身長約170cm)に並んで
もらいました。小柄な女性なら背丈を超えてしまう位の高さです。
台座にはネームプレートが付属(両面テープで接着させます)、天面はミラー
仕上げになっていて、立たせた状態でもエンジン部分を見ることが出来ます。
「アポロ13号&サターンV型ロケット」全行程
それではここから、手動でアポロ13号&サターンV型ロケットの発射から
地球帰還までの全行程を再現したいと思います。
(「SM(支援船)」「CM(司令船)」「LM(月着陸船)」などは日本語で表記します)
世界よ!これが「大人の超合金」による大人の遊びだ!
【第1段ロケット切り離し】
まずは地上からの打ち上げ~第1段ロケット切り離し。この段階ですでに機体の
半分近くが切り離され、ロケットの容量の殆どが燃料で占められているのがよく
解りますね。
【S-II Aft Interstage~打ち上げ脱出システム切り離し】
続いて第2段ロケット発進のために、白黒の輪っか状の「S-II Aft Interstage」
を切り離し、先端部の「打ち上げ脱出システム」も外されます。ここで初めて
司令船「オデッセイ」の先端が露出します。
【第2段ロケット~司令船&支援船切り離し】
無事に衛星軌道に乗ったサターンVは続いて第2段ロケットも分離し、ここで
月着陸船「アクエリアス」とのランデブーのため、第3段ロケットの先端から
司令船&支援船を切り離します。
【ランデブー~司令船&月着陸船ドッキング~第3段ロケット切り離し】
第3段ロケット側の、緩い円錐形の形状をしている「SLA」(宇宙船アダプタ)の
外壁パネルが展開し、内部の月着陸船と司令船&支援船がドッキング!
この後、役目を終えた第3段ロケットは月に墜落します。
小さなトラブルがありつつも、この時点まではほぼ計画通りにミッションが
遂行され、全てのロケットを切り離し地球の軌道から完全に外れたここからが
「アポロ計画」の本番となる……はずだったのですが!
「ヒューストン、何か問題が発生したようだ」
【酸素タンク爆発】
運命の1970年4月13日、地球から321.860km離れた地点で突然
支援船の外壁に搭載された酸素タンクが爆発!
ここで素早く支援船を破損時のもの(画像)と差し替えるんだ!
このままでは水も電気も酸素も1日ともたない、という最悪の事態に
NASA管制センターは月着陸を断念、3人の乗組員は月着陸船へと移動し
「2人が2日間」のみ滞在する事を前提とした機内で「3人で4日間」を
生き延びる、という人類史上かつてない過酷なミッションへと向かいます。
「大人の超合金」では支援船パーツは「通常時」が2個、パネルが吹き飛び
内部が露出した「破損時」が1個付属し、全てのロケットを切り離した後の
宇宙船本体のみの状態でも飾れるようになっています。
こちらが本来の「月面着陸」というミッションは果たせなかったものの、4日間
乗組員達の命を繋いだ月着陸船「アクエリアス」。まるでエッチングパーツを
組んだような超精密さの上、機体下部の足は展開し幻の着陸状態も再現可能!
「大人の超合金」では前々ミッションの「アポロ11号」も商品化されていますが
11号に搭載された月着陸船「イーグル」にはまだ無かった「原子力電池」も
「アクエリアス」では再現されています。
着陸船「アクエリアス」切り離し~地球帰還へ
【支援船切り離し】
不眠不休で帰還への方法を探す地上スタッフと、水や酸素などあらゆる資源を
節約しつつも後に「メールボックス」と呼ばれる二酸化炭素除去フィルターを
手作りするなど、超人的な精神力とアイデアで過酷な4日間を乗り切った乗組員
達の戦いは、ついに1970年4月17日に最終局面を迎えます。
月の裏側を周回し、再び司令船へと戻り進路を地球へと定めた乗組員は
破損した支援船を切り離します。ここで撮影された「支援船の全景写真」で
初めてNASAは「アポロ13号に何が起こったか」を知ったそうです。
【月着陸船切り離し】
そして「2人を2日生存させる」という設計前提を超えて3人の命を守った
「アクエリアス」も切り離し、唯一残った司令船が大気圏へと突入します。
当然ですが支援船もこの「アクエリアス」も、この後大気圏で燃え尽きます。
こういう「最後の輝き」的な流れに、わたくし大変弱い。
【帰還】
1970年4月17日 午前6時7分に司令船「オデッセイ」が太平洋に着水、米軍の
強襲揚陸艦「イオージマ」で待機していた救援ヘリコプターによって3人の
乗組員が無事救出されました。
大気圏突入時の摩擦熱によって変色した司令船の表面から、救援に向かう
2人のダイバーの仕草までを、量産の限界を超えた細密造形と塗装で完全再現!
まさに人類史上に残る歴史的な一瞬を捉えています。
海面プレートには水の透明感を演出するクリア素材を使用、付属の台座シートを
敷けば台座を全て海面にすることも出来ます。プレートとシートを合わせると
ヘリコプターのダウンウォッシュで水面が揺れる様が見事に現れます。
――――そして「Successful Failure(成功した失敗)」へ
「アポロ13号」の何がすごいって、未曾有のトラブルを経た後もNASAが
その後も17号まで「アポロ計画」をちゃんと継続させている点なんですね。
「宇宙空間での有人宇宙船の爆発」という、絶対に実験出来ない状況からの
貴重なデータの数々はもちろん、アポロ13号は「絶対に地球へ帰還する」
というあきらめない気持ちこそが一番大事、というメッセージを後世に残し
それは現在までの科学技術の発展に大きな影響を与えています。
私もバンダイさん本社で撮影してた時は「すげー!でけー!」と、その迫力と
緻密さにただただ圧倒されていたのですが、記事を書くにあたって調べていく
内にフロンティア達の偉大さと強い精神力に改めて感嘆しました。
科学という人類の叡智と、想いの強さの結晶をお手元に。
大人の超合金 アポロ13号&サターンV型ロケット
夏休み特別レビューでした!
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●大人の超合金 アポロ13号&サターンV型ロケット
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※画像は試作品を撮影したものです。実際の商品とは異なります。
——转自blog.amiami
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